酒場評論:八日目の蝉
角田光代の2007年の小説。映画は2011年。出演は、井上真央、永作博美、小池栄子。2010年に、檀れい、北のきいでTVドラマ化されているようだが観ていない。
原作を読んでから映画を観たパターン。
小説を読み始めると喜びに打ち震えた。小説らしい小説なのだ。ホームランバッターが出てきてきちんとホームランを打つ喜び。その期待感、ワクワクの来るぞ、来るぞ感がある。途中ややあり得ない展開もあるが、素直に感動できる小説だ。
子どもに対しての惜しみない愛情とそれに応える子ども側からの愛情は一貫している。そこにこの小説のテーマがしっかり流れている。
読んでいる途中小豆島に行きたくて仕方なかった。そのあたたかく優しい日差しの中でただ、ただ佇んでいたくなる。
映画は、自分にとっては観ないほうが良かった。小説の中で作り上げたイメージが完全に崩れてしまった。あの想像していた小豆島のイメージを返して欲しいのだ。
小豆島を舞台にした2ラブレターと言う昼ドラマが素晴らしかった。勝手にそれを想像して期待があったのかもしれない。