居酒屋での話

サラリーマンの居酒屋話です。

密かに尊敬する人:大井町 丸八(支店)の大将と奥さん

35年前学校を出てこの街にある印刷会社関連の製版会社で営業となった。当時は当たり前に昭和な路地裏だった路地裏の飲み屋街は、今もなお昭和のまま残っている街だ。

品川方面に行く線路際の道沿いに、とんかつ丸八の支店がある。ここの大将はとんかつのために生まれてきたような風貌で、もし漫画家がとんかつ屋を描くとしたらこうなると思う。当時から、出前をする大将の顔を見ると、もうとんかつが食べたくて、食べたくて会社帰りに寄ってしまう魔力があった。それは今も健在だ。

ここのとんかつは絶品だ。一度食べたら病みつきで通ってしまうこと請け合い。ご飯の炊き方も申し分なく米が旨いと感じる。アツアツの豚汁はいつまでも舌の記憶に残る。

出して貰ってすぐ飲むと上顎をベロっと剥けるほどの火傷するのが分かっていても、毎度すぐに飲んでしまう。肉厚の食感の豚肉のほのかな甘みとサクサク衣が口の中で踊るように絡まって幸福感がジワジワ染み出してくる。

お店は一階は白木のカウンターのみで、大将と奥さんが並んで切り盛りしている。二人の会話や冗談も昔ながらの飾り気のない昭和のまま。この居心地の良さが、ガツガツとんかつを喰らうのにピッタリなのだ。

そう言えば、就職して正社員になったお祝いの会食も、会社の食堂に丸八のとんかつを出前で取ってくれて、みんなで食べた。

35年以上旨いとんかつを食べさせてくれる大将夫婦を尊敬し憧れる。

いつまでも有って欲しい名店なのだ。

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