居酒屋での話

サラリーマンの居酒屋話です。

映画評:ミッション・ワイルド

 

この夏かなりの映画を見たけれど、一番印象に残った映画を紹介する。

日本では宇宙人として有名なトミー・リー・ジョーンズが脚本と監督、主演の西部劇。

製作はリュック・ベッソンの米仏合作だ。

まだ、西部開拓も初期で、平均寿命も40歳くらいだった頃だ。

西部で暮らすこと自体が大きなリスクで命にかかわるような冒険であった。

そして、あまりにも過酷で不条理な社会だ。人間はいとも簡単に死んでいく。

東部の暮らしとは違う過酷さのために精神に異常をきたした女性3名を、

ネブラスカの小さな村から東の教会に移送する話だ。

移送を志願した主役のヒラリー・スワンクは一人で農場を経営する独身女性。

勝ち気で正義感があり判断力も決断力も男勝り。

それがゆえに敬遠されて婚期を逃している。

移送の初めに、木に首つりされて騾馬にまたがるトミー・リー・ジョーンズ扮する小悪党の命を助ける。

命を助ける代わりに移送を手伝えと言うわけだ。

そして650キロにも渡る旅が始まる。

道なき悪路、厳しい天候や環境、先住民の襲撃、うろつくアウトロー等を避けながら、

精神異常な女性3名を閉じ込めた馬車は走る。

そして、アッと驚く終盤の出来事。

 

映画でそれは無いんじゃないかというような不条理な結末。

美しいアメリカ西部の風景が、寂寥観を高めて記憶の底に沈殿する。

 

どうして命も危険な西部に家族を連れて行くのだろうか?

土地がタダ同然で手に入るからか?

思えば大草原の少女ローラのインガルス一家もそうだ。

東部の都会で頑張って働くよりも、大きな可能性があるからなのか?

 

もし、今、宇宙のどこかが、かつてのアメリカ西部のようだとしたら、

はたして現代人はチャレンジするだろうか?当時のたくましいエネルギーがあるだろうか?

 

そんなことを考えてしまった。