居酒屋での話

サラリーマンの居酒屋話です。

酒場評論:イニシエーション・ラブ

乾くるみの2004年の小説。映画は2015公開、堤幸彦監督で主演は松田翔太、他に前田敦子木村文乃

実はまだ映画は観ていない。正確に言うと観るつもりは今のところ無い。原作は約30年前の恋物語がそのまましっかり詰まっている。あの頃の空気を知っている世代には胸が一杯になってしまうだろう。男女の出会いでの感じ方や仲良くなっている段階、そして仲良くなってからの展開。なかなか読み止めることができなくなって、一気に読み込んでしまう。そしてTV、音楽、流行りモノなど数々の懐かしい文化が背景に散りばめられ、いちいち懐かしさに胸がキュッとなる。みんな若くて今よりもやたら元気で、それでいて何か足りなくて、その何かを求めてあえぐように毎日を送っていた。一番大切な人に出会えた時の踊るような、それでいて静かに澄んだような気持ち。

もう少ししたらもう一度読み直したい。映画は自分のイメージを崩してしまいそうなのだ。もう一回読んだら観るかもしれない。

イニシエーション・ラブ

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